初秋の頃合、湯けむりの漂う湯の街の奇祭「道祖神まつり」は、賑々しく、そしてしめやかに執り行われました。

この祭りが奇祭と呼ばれる由をもつ雄雄しい御神体が通称「御殿山」の薬師堂通夜殿から、おぼけの広場に祀られた姫薬師のもとへこそっりと出向かれるところから本祭は始まります。
おぼけ温泉と白糸通りに構えられた、お祭りらしい夜店の数々(きのこ汁と振舞い酒は絶品)はぬくもりある白糸の湯の如く、活気をこの温泉街に湧かしていました。
また、旅館の若旦那達が演奏する「御殿太鼓」もこのお祭りを盛り上げ、担ぎ手の士気を高めました。

喜び勇んで薬師堂へお戻りになるお薬師様は世の女性に福を授け、御神体の担ぎ手や温泉街の方々に見送られて、急勾配の薬師堂参道を威勢よくお登りになり、通夜殿に腰を据えられました。
一夜の幸福な男女の誓いが交わされたこの夜、湯の街から薬師堂へと帯状に飾られた祭り提灯の明かりが懸命な求婚の末に光の指した恋路を煌々と照らし出しておりました。

写真は、男性シンボルの御神体と若い女性が御神体に跨って前後左右に神輿が躍動する様、御殿太鼓の演奏風景です。